忘れられた恋の物語
「入院してたって…どこか悪いの?」

「ああ…ちょっと怪我したんだ。そんなにひどい怪我じゃなかったし、短期間の入院だったから。心配しないで。」

「もう治ったの?」

「今は元気だよ。」

「それならいいけど…。」

「大丈夫だから。横になって。」


そう言われて自分が体を起こしていたことに気が付いた。入院したと聞いて、心配で起き上がってしまっていたようだ。

もう一度横になると斗亜と目が合った。


「眠い?」

「ううん。斗亜は?」

「俺もまだ眠くない。柚茉疲れてない?」

「うん。」


私たちは2人とも全然眠ろうとしなかった。最後の時間を寝て過ごすのがもったいなく感じたから。

少しの間沈黙が続いて、私は寝返りを打って斗亜に背を向けた。ある言葉を言おうとして。

でも顔を見て言うのは恥ずかしかった。

< 137 / 156 >

この作品をシェア

pagetop