忘れられた恋の物語
ポストカードといい、この目といい変なことが起こる日だ。身に覚えがない分、何かを忘れているような気もしたけれど気のせいだと思った。

そしてそれから何日か経ったある土曜日。

時間に合わせ鳴り響いた目覚ましを止め、横に置いてある写真立てに目をやる。

この前見つけたメリーゴーランドのポストカードをそこにに入れて飾ったのだ。すごく綺麗だから閉まっておくのはもったいないと思った。

今日は憧れていたことに挑戦する。髪の毛を染めるのだ。

美容院も予約してある。せっかくだから明るい色に染めてみようと決めていた。両親も好きなようにしなさいと賛成してくれた。

次に病院に行った時には先生や看護師さんたちがびっくりするだろう。その姿を想像しながら私は美容院へと向かった。

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