忘れられた恋の物語
その1週間後、病院の通院日で診察を終えた私はいつも通り屋上へと向かった。
色を悩んだ末に金髪に染めた私の髪を見た先生はびっくりしながらも似合うと褒めてくれた。
長い間ここに来ていなかったなと思いながら柵に手を掛けた。乗り越えるために。
その時、誰かに声をかけられた気がして後ろを振り返る。でもそこには誰の姿も見えず空耳だったのかなと思った。
体を戻して私はもう一度柵に手を掛ける。
…でも乗り越える気にはなれなかった。
誰かに言われたわけでもない言葉が頭を巡った。
『自由に幸せに生きてほしい。でも周りを不安にさせるようなことはするな。』
聞いたこともない声が頭の中で悲しそうに何度も繰り返し、私は柵から手を離した。
色を悩んだ末に金髪に染めた私の髪を見た先生はびっくりしながらも似合うと褒めてくれた。
長い間ここに来ていなかったなと思いながら柵に手を掛けた。乗り越えるために。
その時、誰かに声をかけられた気がして後ろを振り返る。でもそこには誰の姿も見えず空耳だったのかなと思った。
体を戻して私はもう一度柵に手を掛ける。
…でも乗り越える気にはなれなかった。
誰かに言われたわけでもない言葉が頭を巡った。
『自由に幸せに生きてほしい。でも周りを不安にさせるようなことはするな。』
聞いたこともない声が頭の中で悲しそうに何度も繰り返し、私は柵から手を離した。