心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
ハッと不意に意識が覚醒し、
フレイアはベッドから飛び起きる。
どのぐらい寝てしまったのだろう。
窓の外はすっかり日が落ちて、
城のあちこちに明かりが灯り、
美しい音楽の調べとにぎやかな笑い声が聞こえてくる。

自分も出席するはずだった晩餐会は
既に始まっているようだ。
国王夫妻の結婚を祝う晩餐会なら、
自分は主役でもあるはずなのに
その自分がいなくても全く問題ではないらしい。

(私って、なんのためにここにいるんだろう。)
城の明かりを見つめて惨めな気持ちになりながら、
いつの間にか置かれていたパンと
冷めきったスープを口に運ぶ。

今夜、国王陛下と一緒に過ごすことになるのだろうか。
ふとフレイアはそんなことを思い始めた。
そういったことには疎いので、
なんとなくの知識しかなかったが
オーディンになら全てを委ねてもいいという安心感があった。

礼拝堂で恐怖に震えていた時、
過呼吸を起こしてパニックになった時、
フレイアに寄り添ってくれたのはオーディンただ一人だった。
その優しさを思い出すだけで、
フレイアの心はじんわりと温かくなる。

あまり期待しすぎるのもと思いつつ
そわそわとその訪れを待つフレイアだったが、
オーディンが姿を見せることは終ぞなかった。
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