心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
(何か引っかかるわ・・・)
フレイアはモヤモヤを晴らせないまま、
ベッドに横になっていた。
目が冴えてしまって眠れそうにない。
頭から離れないのはアスフォデルスの蜜酒のことだ。
何の確証もないのだが、
国民の体調不良の原因は
アスフォデルスの蜜酒が原因と思えてならないのだ。

トゥーラとの会話をまとめると、
①アスフォデルスの蜜酒にはランクがある
②高級品ほど色が薄く、安価になるにつれて濃くなる
③酒の色に比例して糖度が高くなる
ということになるだろう。

アスフォデルスの蜜酒にランクがあるのは
アスラウグでも同様だ。
貴族が嗜む高級品から、
庶民がお求めやすい安価な品まで
豊富なラインナップがある。
でも、ランクによって色が違うというのは聞いたことがない。
アスフォデルスの蜜酒=サクラのようなピンク色
というのがアスラウグ国民の常識だったからだ。

このモヤモヤを可決してくれるヒントが何かないかと
本棚に置きっぱなしにしていた
百科事典を開いた。

満足に教育を受けさせて貰えないことを嘆いた母が
フレイアに買ってくれたものだ。
この百科事典は上中下の3巻からなる立派なもので、
分からないことは
何でもこの辞典を使って調べた。
薄っすらと積もった埃を払うと、
手始めにアスフォデルスの項を調べる。

しかしその項には
フレイアが欲していた情報は無かった。
蜜酒については別項を参照とのことで、
該当のページには
アスフォデルスの蜜酒の製造方法から
その歴史までが
幾ページにも渡って記載されている。
あまりに長いので
途中でやめようかと思ったほどだ。
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