ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
果実たちの選択/その4
追川



相和会と妖しく繋がっていた女子高生、二人…

当初、俺は相馬と相和会にとって、同じような存在の少女が二人いると、単純に捉えていた

だが実際、二人は似て非なるものであった

相和会に対して果たしてき役割も、微妙に違っていたようだ

人間的には、全く異質と言えるえるかも知れない

本郷麻衣という子の方は、本当に相馬豹一の血筋と信じ込まれるほど、気性が似ているらしい

やってきたこともヤクザ顔負けで、南玉連合の組織内でも、麻衣は非常に恐れられていた

一方、横田競子はまさに”普通”の子だ

今回、友人や学校関係をあたって感じたのは、彼女は誰からも、一様にリスペクトを受けていたということだ

驚いたのだが、今回の”事件”が表沙汰になっても、学校内外、特にPTAは平静を保っていたという

職業柄多くの学校問題を見てきたが、"これ"は、まさに異例とも言える

そんな人徳のある横田競子と、善良な香月明が思いを寄せ合う関係だとすればだ…

それは、かなり悩ましい事情を抱えていると思うのだ

今回、競子が友人や学校サイドから情状を得ている前提は、彼女を事実上、被害者として捉えているということだ

あんなにいい子が、薬物なんかで警察沙汰になった…

これはきっと、周りのロクでもない連中に巻き込まれたんだと

こんな理論立てなんだろう

客観的事実として、南玉連合というグループにも入っていた

さしずめ、タチの悪い”男”に騙されたんだろう…、かわいそうに

このような推測を生む必然性はありということだ


...



俺は今日、ほんのわずかながら、香月明と接した

そして直感した

少なくとも横田競子をクスリに誘いこんだのは、彼ではないと…

しかし、今回の経緯を知れば、彼女の周りの人間は、簡単にはそう思ってくれない

特に家族にとっては、むしろ、彼は憎むべき対象になり得る

これから、二人が公然と付き合っていけば、風当たりは強い

二人が周囲の理解を得るまでは、いばらの道が続くだろう

だが、その道程を、あの二人はすでに覚悟しているようだし

それが、何ともいじらしい

だから、あの二人への真実の追及は辞退する

俺などは、世間から見れば、背広を着た世俗のハイエナみたいものだ

今までずっと、そんな立ち位置に甘んじ、女房と幼い子供にも嫌な思いをさせてきた

それでも、貪欲に追及者であり続けた

そのオレがあっさりだ

突っ張りどころを放棄した攻め手ほど、脆いものはない

もう、この仕事、無理かもな…





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