無気力生徒会長にはヒミツがある。



私が離れるとほんの少し、俯いた会長。



「.........、あー、ごめん、」



〝ごめん〟なんて、
普段の会長からはあり得ない言葉。



仕事しないで寝てる時ですら、
謝ったりしないのに.....................



たぶん、
初めてなんじゃないか?って思って。



空耳とまで疑ってしまうレベル。



そう思った私は。



「会長、そんなに、体調、わるい、ですか?」



気づけばそんなことを口にしていた。



言葉を発した後で、自分の発言に。



(あっ、)



と、思った時には時すでに遅しで。



「僕、さとちゃんに会えなかったから、
ちょー、体調悪いの。責任とって、」



そう言われて、許可も取られずに、
──────ギュッと握られた手。


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