吸血鬼の幼なじみは私だけに甘い。
***
──────放課後。
「.....................ゆる、いる?」
玲良ちゃんと帰ろうとしたそのとき。
教室のドアのふちのところ。
眠たそうにもたれ掛かっている、澄にぃの姿。
「うっそ!ゆるりん!
生徒会長じゃん!知り合い!?」
私と帰ろうとしている玲良ちゃんは、
めちゃくちゃ驚いた顔と声。
「............ぁ、えっと、斗帷くんのお兄さん、」
私がそう答えると。
「確かに、同じ苗字だ.........っ!」
と、腕を組んで納得する玲良ちゃん。
そんな玲良ちゃんの、
反応なんか気にしてないで。
「.....................ゆる、かえろーか、」
教室に勝手に入ってくると。
澄にぃは、
そのまま、私の腕を引っ張って歩き出した。