卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
お風呂から上がると、部屋は片付いていて、耀はベッドで横になっていた。
「俺が横にいるんだから、ゆっくり休みなよ」
隣に寝る私の頭を優しく撫でてくれる。
「ありがとう」
「なぁ、奈菜」
「なぁに?」
「俺の家で、一緒に住む?その方が安心だから。奈菜の1人暮らしは心配なんだ。高校生のこともあったし」
「いいの?」
「もちろん。まぁ、俺がいつも奈菜と一緒にいたい、本当はそれが1番なんだけどね」
「耀・・・」
嬉しくて私は耀に抱きついた。
「・・・あのさぁ、しばらくは奈菜を愛するのは我慢するつもりだから、あんまりくっつかないでよ」
「えっ・・・」
「今日怖かっただろ?少し落ち着くまでは我慢するよ」
耀の優しさに、胸が熱くなる。
「分かった。でもね」
耀の胸に顔を埋め、もっと強く抱きついた。
「耀が抱きしめてくれたから、もう怖くないよ」
そう言うと、耀は私を包み込むようにして強く抱きしめた。
「奈菜・・・どうなっても知らないぞ」
もう、私の身体は耀だけで染まっている。
だから、大丈夫。
耀に愛されることが、私の一番の薬だから。

「そう、一緒に住むんだ」
美和に説明して、住所変更の手続き関係をしてもらうことになった。
「でも良かった・・・」
美和は目を潤ませながら、私の肩を組んだ。
「そうだ!北見くんに聞いたけど、奈菜、家庭教師、辞めるんだって?」
「うん、夜遅くなっちゃうから」
「教室はどうするの?」
「教室は続けたいんだけど。美和が迷惑じゃなければ」
「迷惑じゃないよ!元々奈菜のこと考えてだから、私の事考えずに、するも止めるも奈菜が決めたらいいからね」
「ありがとう、美和。本当にありがとう」
私は美和の手を握り、改めて美和に出逢えたことに感謝した。
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