卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
またなの・・・
あの人とどういう関係なの・・・
段々と嫉妬心が膨らんでいく。
聞いてみようかな・・・
でも、耀が裏切るはずがない。
何か訳があるかもしれないし。
そう思いながらも、言い出すことが怖いのと、社長の彼女がこれくらいのことでと、言い出せない気持ちが葛藤して、また同じ夜を繰り返す。
「奈菜、体調悪かったら、病院行きなよ」
「うん」
後ろから抱きしめる耀。
この温かみを失ったら、私、どうなるんだろう。
考えただけで、涙が溢れる。

そんな日が数日続いて、さすがに耀もおかしいと思ったみたいで、ある日、問い詰められた。
「奈菜、何か俺に隠し事してない?」
「う、ううん。何も」
「じゃあ、何で俺を避けてるの?夜も直ぐに寝てしまうし」
「避けてなんかないよ。疲れてるだけだから」
「俺がどれだけ、奈菜を見ていたと思ってんの?奈菜の様子で分かるよ」
「じゃあ、耀は私に、何か隠し事してないの?」
「隠し事?するわけないだろ」
私は今まで我慢してた気持ちが、一気に爆発した。
「嘘つかないで!隠し事してるのは、耀でしょ!」
「何、言ってんの?」
「もう、いい。出て行く」
「ちょっと、待って。奈菜、話を」
「お願い・・・ 1人になりたいの」
私は、バッグだけ持って、家を出た。

家を飛び出したものの、行く当てもなく、美和に電話した。
「美和・・・今日、店の教室、借りていい?」
「どうしたの?まして、こんな夜遅くに」
「我慢できなくて、耀に当たっちゃった」
「奈菜・・・今日、旦那出掛けて居ないから、家においでよ」
久々に美和の家に行って、謎の女性のことを、泣きながら話をした。
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