卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
【結婚式は感動の同窓会】
結婚式の当日。
「奈菜、一段と綺麗だね。誰にも見せたくないんだけど」
「ありがとう。耀も格好いいよ」
とうとうこの日が来たんだ。
披露宴の会場の扉が開くと、両親、お世話になった人達の顔を見るだけで、目が潤む。
私は、もう男性を愛することは出来ないんじゃないかと思うくらい、深く傷ついていた。
でも、その傷は、耀に出逢ったことで、癒やされ、そして、本当の愛を知った。
小田さんや大河さん、耀の同級生、美和、私達の大切な人達の挨拶で、涙腺が緩みっぱなしだ。
お色直しの度に「綺麗だね」と、耀は私を褒めてくれる。

夢の中にいるような結婚式も、そろそろ終わりを告げる。
「では、ご両親のご挨拶の前に、花婿のご友人、高校時代、共に汗を流した、バスケ部の同級生の皆様から、ご挨拶です。どうぞ前にお越し下さい」
「えっ、そんなの無かっただろ?」
「うん、さっき、挨拶終わったよね」
2人で顔を見合わせていると、耀の同級生のチームメートがスクリーンの前に並び、副キャプテンだった青木くんが、マイクの前に立った。
「僕達は、高校3年間、バスケ部で耀と過ごしました。同級生は3年の時には、5人になり、弱小チームでしたが、団結力だけは、何処にも負けません。耀は引退試合の最後に、皆で繋げたボールを見事に決めてくれました。あの時のシュートは、俺達の団結力を証明してくれました。ありがとう、耀」
その時の映像がスクリーンに流れ、会場中が、拍手で鳴り響いた。
「実は、俺達は、先生に対する耀の想いを知っていて、いつか、今日の日が来るのを、密かに願って、2人の写真や映像を撮っていました。2人のメモリアルを映像にしましたので、今から少しお付き合いください。では、どうぞ!」
その言葉を合図に、会場のライトが落とされて、大きなスクリーンに、
『新庄先生♡耀のメモリアル』
と映し出された。
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