卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
そこに、ゆっくりと映し出されていくのは・・・

「これは、ドジな先生が足を捻って、耀がおんぶして、ホテルまで運んでいる写真です」
遠征のバスで、私が足を捻った時だ。
私は、その写真を見て、恥ずかしくて顔が赤くなった。
「そして、次は、合宿で肝試しした時の写真です。先生と耀を、ペアを組ませるために、作戦を練り、俺達驚かせ役の3年は、後輩達よりも驚かす回数増やしました」
えっ、あれって、計画されてたんだ。
私が怖がって、耀に抱きついている写真。
い、いつの間に!
「そして、次は、肝試しのあと、ずっと線香花火をしてる2人を動画で撮りました。俺達の分を全部渡したので、俺達が離れたのも気がつかず、楽しんでます。」
「そうだ。この時、皆が、俺達から離れてたの、このせいか」
耀が、やられたっていう顔をしている。
2人でどちらが長く火花が保つか、競争したんだっけ。
「次は、文化祭のクラスの出し物で、お化け屋敷の準備をしている写真です」
居残りしてた耀を手伝って、2人で色を塗っている写真だ・・・
「そして、これは文化祭の前日の映像です。怖がりの先生は、喚き散らしてました」
『キャーッ』式場に何度も響き渡る、私の叫び声。
耀は、それを見て涙を流して笑っていた。
「そしてこれは、課外授業で先生が迷子になって、耀が連れて帰って来た写真です」
課外授業で、絡まれていた私を助けに来てくれたんだっけ。
昔も今もずっと私を守ってくれる耀。
「ねぇ、耀は私のヒーローだね」
「あぁ、何があっても守り抜くさ」
耀が優しく私の手を握る。
2人が楽しそうに笑いながら歩いている写真。
どの写真や映像も、ついこの間あった事のように、鮮明に光景が思い浮かぶ。
「最後に、連絡が取れたクラスメートと、後輩達です」
「新庄せんせー、北見くーん、おめでとう!!」
「新庄先生!北見先輩!お幸せに!」
1人1人が、私達に贈る言葉をくれた。
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