卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
私は、先生として過ごしている間、大介との寂しさを感じることなく、楽しく過ごせた。
そんな2人の関係は2年続き、ある日、
「結婚しようか」
と、抱きしめられた大介から、突然、結婚話が出た。
「うん!」
これからは、ずっと一緒。
もう、会えない寂しさは無くなる。
「結婚したら、ご飯を作って、大介が家に帰って来るのを待つんだ。楽しみ!それと、休みの日は、2人でゆっくり過ごしたいね」
それを聞いて、大介はただ微笑んでいた。

私は浮かれていた。
今は平日も帰りが遅いし、休日もほぼ部活。
結婚したら教師を辞める。
そう決めつけていた。
別に辞める決断をしなくて良かったのに、完全に浮かれていて、判断を誤った。
学校に迷惑を掛けないようにと、早めに退職届を出して、ウキウキしていた。
やっと、大介と一緒に過ごせる。そう思っていた。
だけど・・・

1ヶ月後のある日。
いつものように連絡があって、玄関の鍵を開けて、入って来た大介に抱きついた。
「お帰り」
「うん・・・」
私が先に部屋に入ったけど、大介は玄関に立ったままだった。
「どうしたの?」
大介は俯いて返事をしない。
「大介?」
私が近づくと顔をあげて、私を見つめた。
「俺、奈菜とは結婚出来ない。ごめん」
大介から突然、別れを告げられた。
「えっ?どうして?結婚するって言ってたじゃない!」
「すまないと思ってる。さよなら、奈菜」
そう言って理由を語らず、腕を掴んだ私の手を振り払って、私の家の鍵を置いて出て行った。
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