妹の身代わりで嫁いだ姫は、ヤンデレなはずの皇王にとろ甘に溺愛される(旧 ヤンデレ皇王のつがいはデレ改革をお望みです ~加虐系ヤンデレはデレデレにデレチェンジ~)

26.変化2

 からからとドアベルが鳴るが、カウンターの奥に腰かける老婦人はシルディア達に見向きもしない。
 書物から目を離さずに「いらっしゃい」と言った老婦人が気にならないほど、シルディアは目の前の光景に目を奪われた。
 小さな店ではあるが、可愛らしくも品を感じる内装をしていた。
 壁側の棚を埋め尽くすのは手鏡や腕時計、便箋やガラスペンなど雑貨が置かれている。
 店の中央に置かれたテーブルには可愛らしいレースのテーブルクロスがひかれており、その上には装飾品スタンドが並んでいた。
 装飾品スタンドには色とりどりのブレスレットや品のよい指輪がかけられている。
 ショーウインドウから射す陽光で装飾品が輝き自己主張をしていた。
 まるで自分を見てくれと言わんばかりの光景に、シルディアは高揚感を隠せなかった。

「わぁ」

 シルディアは可愛らしい店内に思わず感嘆を漏らす。

「綺麗……」
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