ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
国王は月に一度御用聞きを送り込み、三日に一度は長々とした手紙を送りつけ、ことあるごとに彼の意見を聞こうとする。国王はディルを彼の右腕として重宝し続けた。――まあ、ディル曰く、国王はなんでもかんでも彼に意見を求める癖があるだけらしいのだが。
そんなこんなで、国王からのぶ厚い手紙が来るたびに、「ここまで来ると王室御用達の便利屋だな」と、ディルが自嘲気味に一人呟くのは、もはや執事のセバスチャンにとっては恒例行事のようになってしまった。
こういう経緯もあって、ディル・K・ソーオンは、宮廷を離れていながら国家運営に絶大な影響力を持ち続けた。若干不本意ではあるが、致し方ない。
そして、そんな冷血伯爵たるディルは目下、独身街道を爆走している。
国王からの信頼が厚く、広大な領土の辺境伯爵で、酒やギャンブルの類は一切嗜まないという超優良物件にもかかわらず、である。
この国では10代で婚約、結婚するのが普通だが、ディルはすでに28歳。結婚適齢期はとうに過ぎている。
そんなこんなで、国王からのぶ厚い手紙が来るたびに、「ここまで来ると王室御用達の便利屋だな」と、ディルが自嘲気味に一人呟くのは、もはや執事のセバスチャンにとっては恒例行事のようになってしまった。
こういう経緯もあって、ディル・K・ソーオンは、宮廷を離れていながら国家運営に絶大な影響力を持ち続けた。若干不本意ではあるが、致し方ない。
そして、そんな冷血伯爵たるディルは目下、独身街道を爆走している。
国王からの信頼が厚く、広大な領土の辺境伯爵で、酒やギャンブルの類は一切嗜まないという超優良物件にもかかわらず、である。
この国では10代で婚約、結婚するのが普通だが、ディルはすでに28歳。結婚適齢期はとうに過ぎている。