ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「え~~~、サービス!? ヤバい、めっちゃ気になるんですけど!」

 エミは目を輝かせる。ディルは青い袋をエミに手渡した。

「ふたりで見るように言われたから、中身はまだ見ていない。しかし、どうせお前が喜ぶようなものだろう。開けてみろ」
「やりらふぃ~~!」

 無邪気に歓声をあげたエミは、さっそく青い袋を開いた。出てきたのは、布なのか紐なのかよくわからない衣服と、小さなガラスの瓶だった。

「え~っと、んー……。なにかなぁ、これ……。かわいい小瓶と、これはパンツとブラ? ……ブラにしては、なんか大事なところが隠れるかビミョいよーな……」

 不思議そうに首を傾げるエミの横で、ディルがすぐにハッとした顔をした。

「これは、もしや……ッ!」
「えっ?」
「……あの商人め、なんと下世話なッ!! なにが『幸運を祈りますぞ』だ!」

 旅商人がディルに渡したものは、煽情的なランジェリーと媚薬。つまり、夫婦の夜の営みに刺激を加えるための、アダルティな品であった。
 エミもディルの反応を見て、ようやくピンと来たらしい。
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