ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―

婚約者、告発する!

 急な闖入者に、王の間は騒然とした。今しがた現れたアレキセーヌといえば、第一王子エリックの婚約者であり、一般的なサンクトハノーシュ王国の貴族令嬢らしく、政治的な場所には一度も現れたことがない。
 そんなアレキセーヌが急に高笑いとともに(まつりごと)の中心である王の間に現れたのだから、人々が訝しがるのも当然だ。しかも、アレキセーヌが引き連れてきた騎士たちは皆屈強そうで、さらにいえばグッドルッキングガイ揃いだった。
 しかし、もはや四面楚歌状態になってしまったエリックにとってそんなことはどうでもいい。エリックはほとんどすがりつくような勢いで、アレキセーヌに訴えた。

「アレキセーヌ、ちょうどいいところにきた! この状況をどうにかしろ! こいつら、寄ってたかって俺を悪者にしようとするんだ!」
「まあ、エリック様! なんて情けないお顔をしているのかしら? 貴方様の取り柄は、せいぜいちょっと整ったお顔くらいなのに、それも台無しですわ」
「へ……?」

 エリックは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする。
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