冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
わたしの質問に、何のためらいも迷いもなく、そう平然と告げた飛鳥馬様。
「だけど、わたしは飛鳥馬様にとっては庶民で……、太陽の街に住む、住人で……、」
「ふふ、あやちゃんが言いたいこと、なんとなく分かるな」
「……!」
「俺とあやちゃんでは住む世界が違いすぎる、とか思ってるんでしょ」
飛鳥馬様の言葉が図星過ぎて、グッと喉を締められた気分になる。
わたしはその言葉に、コクリと小さく頷いた。
「はい、そうで──「だめ」
“そうです”と言い切ろうとしたところに、飛鳥馬様の声がその言葉を遮った。
だから、わたしの口から思わず「……え、?」という何とも間の抜けた声が漏れる。
「そんなこと思っちゃ、だめ。住む世界が違うなんて、そんなひどいこと思わないでよ」