HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
康秋さんの目回しのおかげで、俺の不祥事が表に出なかった。その代り、俺の素性が『藤堂コーポレーション』本社の人たちに明かされてしまった。
「隠していて申し訳ない…皆」
俺は営業二課の皆を集めて、謝罪した。
「いや…課長がメディア王のご子息とは…驚きました」
「三本…すまない」
「いえ…」
「俺の退職後、二課の責任者はお前だ…今日から引継ぎを始めるから覚悟しろっ」
「お手やわらかに頼みますよ…課長」
「課長…突然退職してしまった…狩野さんは課長の事、知っているんですか?」
「いや…」
恋良と仲良くしていた同じ派遣の橋本さんが俺に質問して来た。
でも、適当な返事をして誤魔化した。
「突然の退職だから…狩野さんの私物がデスクの中にあるのに…」
「そっか…じゃ…段ボール箱に入れておいてくれ…俺が狩野さんの派遣会社に持っていくから…」
「分かりました」