HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「ほら、恋良」

私は樹生さんに右手首を掴まれた。

「何!?」

樹生さんは私の手を引っ張り、愛良の手に握られた。


「恋良も愛良さんの事とっても心配していたんですよ…」

「私は別に…」

「じゃさっきの謝罪はなんだ?」

「それは…」

「私も色々と目回し過ぎたわ…でも、門脇が私の事を想っていた事は知らなかった。それだけは断言する」

「…愛良に心配されなくても…私はもう大丈夫よ」

私は樹生さんと目を合わせた。

彼のグーズグレーの優しい瞳がまっすぐに私を見つめていた。

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