HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
二人で硝子越し広がる海を眺めながらの贅沢なブレックファースト。

「夜は二人で満月島に行かないか?」

「えっ、あ…でも…私たちは…」

月に一度、満月の夜だけ、潮の満ち引きで現れる道。
その道が天空島と満月島を結ぶ。


その道を恋人同士で歩くと永遠の愛を誓い、終生幸せになれると言う島の言い伝えがあった。

「君はあの言い伝えを信じてるの?」

「え、あ…別に…」

結ばれる恋人は結ばれるし、別れる恋人は別れる。

現実主義的な私は余り信じてなかった。

「じゃ偽恋人の俺たちが歩いても問題ないよ…」

彼も私と同じ考え方の人。

彼は平然と言い捨て、厚切りのトーストにバターを塗り始めた。



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