HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「友人の挙式は明日の十三時半からだ」
「はい…」
「場所は当ホテルの最上階にある天空チャペル、その後はホテルのイタリアンレストランを貸し切り、ビュッフェ形式の披露宴パーティーを予定している。俺たちは挙式だけの参加だ」
「はい」
私は彼の話に頷くだけ。
「さっきも言った通り…ドレスとヘアメイクの費用は俺が全額負担する」
「はい…その友人というのは貴方とはどのような関係ですか?」
「俺の幼なじみだ。名前は古橋阿弥(フルハシアヤ)」
「唯の幼なじみですか?」
「・・・それを訊かれると説明に困る…彼女からの告白を受けて、断った経緯があるから・・・」
困ったように眉を顰めて、語尾を濁す白石さん。
「自分に気があり、フッた幼なじみの挙式に恋人を同伴して無神経だと思われませんか?」
「やっぱりそう思う?」
白石さんも心の片隅ではそう思っていたよう。