HONEYHOLIC（３）リゾートシンデレラ～十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました～

「思っているなら、やめた方がいいと思います」

「・・・それではいつまでも…踏ん切りがつかないと思う…」
「誰の？」

「・・・彼女の踏ん切りだ…俺はいつも彼女にはいい顔をして来た…だから…酷い男だと思わせたいんだ。俺の事忘れて、彼女には幸せになって欲しい…そう思ってる」


「貴方も彼女が好きって事ですか？」

「俺は別に…俺はまだ半人前で…」

「事情は何となく理解できました…」

同い年の幼なじみ。
女性と男性の結婚適齢には差があるから…

その差で彼女とは結婚できなかった。

別の誰かを恋人に仕立てて、酷い男だと彼女に思わせて、彼女の心から完全に自分の姿を消したいのね。

飾り切りしたフルーツと可愛いミニパラソルの飾りで付いたトロピカルドリンクが運ばれてきた。

飲む前にまずはスマートフォンのカメラ機能で写真を撮った。