HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「思いの節があるなら…俺の嫁さんに診察してもらうか?」

「いや…いい・・・遠慮しとく」

「そう…」

診察後、私は医務室の奥にあるベットに横たわり、栄養剤の点滴を打つ。

点滴が終わる時間帯に一旦仕事に戻った樹生さんが現れた。

「今終わったところか?」

「はい。ご迷惑掛けました…」

「迷惑だなんて…」

幸人さんは別用で医務室を出て不在。
不在を預かる看護師にお礼を言って、医務室を出た。

「今日は帰っていいぞ…狩野」

「でも…」

「もし…その…一週間過ぎても…生理が来ないなら…一緒に東亜に行こう…幸人の奥さんの由夢さんは産婦人科医なんだ…」
『東亜』の産婦人科医か…
私は槇村先生の事を思い出した。
「大丈夫ですよ…私…妊娠なんてしてませんから…」
< 81 / 177 >

この作品をシェア

pagetop