HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「恋良は私の身代わりになって施設で育った。
母は恋良の身を案じながら、私が十三歳の時に他界。
私は漫画家になる夢を叶えて、恋良を探し出した…私たちは十七歳の時…再会した。場所は…夜の歌舞伎町。
恋良は街娼になって自分の体でお金を稼いでいた…今は普通に暮らしてるけど…あの時の恋良は…底辺の暮らしをしていた」

「愛川先生…」
「自分と同じ顔が見ず知らずの男に体を売ってる…私も恋多き女だから…人の事は言えないけど…人生で一番ショックだった…私のせいだって…私にできる事ないかな?と思って…恋良に街娼から足を洗うように説得して、学費は全部私が持つから…大学の進学を勧めた。お金ですべて解決するもんじゃないけど…」


愛川先生は自嘲気味に言って、缶ビールを煽った。

「・・・返済しなくてもいいって言ってるのに…恋良は私に学費を返済してくるの…律儀な妹よ…でも、私には恋良を幸せにはできない…お願いします!!恋良を幸せにしてください…樹生さん」

「愛川先生!?」



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