惚れた弱み
花火大会当日。
菜々たちの最寄り駅で待ち合わせすることになった。
――何を着てくるんだろう。やっぱり浴衣かな…。
「お、来た来た。」
そう言って横断歩道の向こう側に向かって手を振る。
そこには、浴衣の女子2人が立っていた。
美桜は白ベースに色鮮やかな牡丹が描かれている浴衣に、赤い色の帯を合わせていた。
そして菜々は…紺ベースの浴衣に、白色で椿が描かれている。
そこに合わせた黄色い帯と、黒髪に映える赤い椿が、菜々を一層引き立てていた。