惚れた弱み


『あの時はびっくりした。ひろは一目惚れとかするタイプじゃないし。でも本気だってのは伝わってきてる。だから俺にできることがあれば、協力するよ。』


夏樹がそう言うと、博孝は「うん、ありがとう」と答えた。


「このまま何もせずに受験に専念するなんて無理。だから告白して、気持ちに区切りをつける。橋本ちゃんには好きな人いるってわかってるからフラれるだろうけどね。」


『…大事な日になりそうだな。別々に行動するタイミングが来たときは、お互いに合図だそうな。」


「りょーかい。ありがとうな、夏樹。」


夏樹にお礼を言って、その晩の通話は終了した。

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