惚れた弱み


博孝は思い切って、菜々に全てを伝えた。


初めてマックで会って、話した時に『可愛いだけじゃなくて、いい子だな』と思ったこと。


教室移動や体育の授業の時に、いつも菜々がいないかと探してたこと。


声をかけるタイミングをいつも見計らっていたこと。


プールに遊びに行った時も、実は夏樹が気を利かせて4人で行くようにセッティングしてくれたこと。


今日の花火大会も、夏樹から誘われてたのではなく、菜々からオッケーをもらってから、慌てて夏樹と美桜を誘ったこと。


呆然として話を聞いている菜々。


博孝は最後の希望を賭けて、こう言った。


「突然、告白なんてして、ごめんな。でも、そろそろ気持ちに区切りつけないと、受験に集中できないし、今日言おうって決めてたんだ。…まぁフラれるって分かってたけどね。」


――お願いだ。フラないって言ってくれ。


そう願っていると、菜々の目から涙がツーっと頬を伝って落ちた。

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