惚れた弱み

ふと、首に回されている腕に下げられた小さな紙袋の存在が気になったので尋ねてみる。


「…そう言えばさ、この紙袋何?」


「あ、これですね!これは…」


そう言うと、菜々は博孝の首に回していた手を解き、持ってきていた小さな紙袋から、ブルーのリボンがかけられた箱を取り出した。


「何、これ?」


「大学合格のお祝いを兼ねた、プレゼントです。開けてみてください。」


――お祝いまで用意してくれるなんて…。ホント、いい子だな。


「マジで!?嬉しい!ありがとう。さっそく開けるね。」


博孝は、立ち上がって菜々の隣に座ると、ゆっくりリボンを解いた。


蓋を開けると…


「…チョコ?」


博孝が菜々に目線を戻すと、恥ずかしそうに菜々は、コクッと頷いた。


箱の中には、トリュフチョコレートが6個綺麗に並んでいた。
チョコペンで花が描かれている。

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