肉を斬らせて骨を断つ

あの時は好きだって言ってくれたけど、今もそうとは限らないし。

何より、あたしみたいのに好かれても良いことなんて一つも……。

スマホがメッセージを着信する。

『駅、結構混んでるから気を付けて来て』

もう付近にいるらしい。早すぎでしょ、と思いながら時計を見る。

化粧をさっさと終わらせて、家を出た。
大通りの方を見ると結構な人が歩いているので、その一本隣の道を通っていくことにした。

結局、来ちゃってるし。
花火楽しみだし。
何より、純玲がしゅんとしてるの嫌だし。

この気持ち、伝えたら笑われるかな。

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