肉を斬らせて骨を断つ

ああいう客を引いてしまったのも、あたしがちゃんとしてなかったからで。

「花火大会に来てた知人が冴が運ばれたのを見たと言っていた。冴が、刺されたって」

悪いことは出来ないのと同じで、こういうのもすぐに広がるらしい。

「連絡しても繋がらないから、」
「連絡先ブロック削除したから」

そう言うと、純玲は黙った。雲母から病院のことを聞いたなら、その想像は出来ただろう。

「あたしってやっぱり普通の人生歩けないんだろうなって思うんだよね。もうずっと緩やかに下降してた。たまに上がっても、こうやって落とされる。すごいよね」

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