肉を斬らせて骨を断つ
「な、」
なんでここに、と思う。
「矢野から聞いた」
雲母には軽く連絡した。再試で大学に行ったら記者がいたと言っていたので、それとは関係なく盲腸で入院したと答えた。病室も言ったっけ。よく思い出せない。
「大丈夫か?」
いつもそう尋ねてくる。
へら、と笑ってみせる。
「自分の不運さに笑えるよね」
ベッドへと戻る。同じ病室の他の人たちはちょうどベッドには居なかった。検査や買い物とか洗濯とか色々だろう。
「ごめんね、花火行かなくって」
「そんなのより」
「さっき不運って言ったけど、よく考えてみれば自業自得か」