嫌われ令嬢が冷酷公爵に嫁ぐ話~幸せになるおまじない~
「いやあ、輝いているねマイアさん。ジョシュアと並べる令嬢なんて、今まで見つからなかったのに」

 ジャックは華麗に踊るマイアを見て呟く。
 隣のエイミーもどこか誇らしげに頷いた。

「初めて彼女に会ったとき、確信したのです。彼女は間違いなくジョシュア様に寄り添える人間だと。私の読みは正しかったようですね」

 ハベリア家は今回の一件により、確実に没落するだろう。
 しかしマイアはジョシュアの妻として輝きを見せ、そして治癒能力という希少性をも見せつけた。

 彼女はすでにエリオット公爵家の人物であり、ハベリア伯爵家の人物ではない。
 彼女が報われて本当に良かったと、ジャックは心の底から思った。

「さて、そろそろお開きかな? ジョシュアのことだし、夜会が終わったら彼は真っ先に帰るだろうな」
「今度ばかりは護衛をつけずに外に出るような真似、しないでくださいね?」
「はは……わかってるよ。ありがとう、エイミー」

 先日の一件を忘れたわけではない。
 ジャックは何かと命を狙われることも多いだろうし、公爵のジョシュアとて例外ではない。そんなとき、マイアが寄り添っていてくれたらと思う。

 初々しく、しかしながら仲睦まじい様子のジョシュアとマイアを見て、ジャックは踵を返した。
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