明日に夢を見ようか。 不良になれなかった俺のギャラクシーノート
「焼き鳥か。 久しぶりだなあ。」 「これ美味いんだぜ。」
「ところで何処の焼鳥屋だ?」 「大下駅前に屋台を出してるだろう。」
「何だ、黒瀬の親父か。」 「大村さん 知ってんの?」
「ああ。 黒瀬は昔からの友達だ。 負けず嫌いな暴走族でなあ。」 「暴走族?」
「そうだ。 喧嘩させたら高校じゃ勝てる相手が居ないって噂だった。」 「そんなにか?」
「そりゃそうだよ。 父さんは柔道の選手だったんだ。 おまけに母さんはテコンドウの選手だったんだ。 両親にぎっちりばっつり鍛えられたってわけさ。」
「じゃあ吉村だって手に負えねえな。」 「心配するな。 あいつは喧嘩はするが悪さはしねえやつだから。」
「黒瀬か、、、。」 岩谷さんは皮を齧りながら親父さんの顔を思い出した。
「そういえばさ、屋台に高中の叔父が来てたよ。」 「何だって? 元彦が?」
「ああ。 皮とか肝とか頼んで1万円置いてどっかに行っちまった。」 「やることはでかいなあ。 言ってることはしょぼいのに。」
「あいつ、県議会議員なんだろう? なおさらやばいんじゃないか?」 「そうかもな。 あいつに嗅ぎ回られたら堪ったもんじゃない。」
「どっかで抑えないとな、、、。」 岩谷さんは思案顔のまま大村さんの家を出たのですが、、、。
落ち着けるわけも無く、そのまま俺が入院している病院にやってきた。 「具合はどうだ?」
「少しずつ良くなってきてる。」 「そうか。 良かった。」
「姉ちゃんは無事なんだろうか?」 「俺たちも探れないでいるんだ。 情報が全く無くてな。」
「そうなのか。」 俺は岩谷さんのつらそうな顔を見るのが嫌で布団をかぶった。
岩谷さんは病院を出ると街中をブラブラと歩いている。 大村さんの家で一夜を明かして病院に出向いたその後だ。
「よう、お前岩谷だろう?」 不意に男が声を掛けてきた。 振り返るとそいつは狼のやつだ。
「何か用か?」 「俺たちを嗅ぎ回ってるらしいな?」
「は? 何にもしてねえけど。」 「嘘吐くんじゃねえよ。 周りから聞いたぜ。」
「火の無い所に煙は立たねえんだ。 俺は何も知らねえよ。」 「のぼせんじゃねえ‼ 俺のことをしこたま嗅ぎ回ってるのを知ってるんだぞ‼」
「お前が何かやったのか?」 「貴様、いい気になりやがって。」
男がいきなり殴りかかってきた。 岩谷さんは何もせずに突き飛ばされてしまった。
「へ。 後ろめたいもんだから手出しも出来ねえのか。 獄導も終わっちまったなあ。」 男はさらに殴り続けている。
「何をしてんだ?」 「見りゃ分るだろう。 この男に制裁を加えてるんだよ。」
「お前がか?」 「当り前だ。 俺がやらなきゃ誰がやるってよ?」
「こいつが何かやったって証拠でも有るのか?」 「周りでこいつらが俺を嗅ぎ回ってるって喋ってるやつらが居たからな。 そいつらが証拠だ。」
「ほう。 それでお前の何を嗅ぎ回ってたんだ?」 「知らねえよ。」
「馬鹿だなあ。 安原。 お前のことを嗅ぎ回ってたのは俺だよ。 ハハハ。」 「何だと? 貴様は何を嗅ぎ回ってたんだ‼」
「お前さあ、高中と一緒になって獄導をぶっ潰そうとしてただろう?」 「それがどうした?」
「獄導は少し前に解散してるんだよ。」 「何だって? 解散してた?」
「知らなかったらしいな。」 「てめえ、いい気になりやがって。 ぶっ殺してやる‼」
安原と呼ばれた男はジャージ姿の若い男に飛び掛かっていった。 ところが、、、。
「うわ‼」って言った切り起き上がれないでいる。 「強過ぎたかな? まあいいか。」
安原は一撃でぶっ倒れてしまったんだ。 その男は岩谷さんの所にもやってきた。
「大丈夫か?」 「まあ何とか、、、。」
「災難だったなあ。 解散したのにまだまだ狙われてるなんて。」
「あんたは?」 「俺? 俺は黒瀬瑞樹。 昨日さあ、親父から聞いたんだ。 あんたたちの話を。」
「そうだったのか。」 「親分の彼女が拉致されたんだって?」
「そうなんだよ。 大村さんも今は動けないから困ってて。」 「俺が探ってやるよ。」
「危ない連中だぜ。」 「高中だろう? あいつのことはよく知ってるんだ。 任せてくれ。」
やっとの思いで立ち上がった岩谷さんと握手をして黒瀬は走り去っていった。 「探るって言ってもどうやって探る気なんだろう?」
その頃、古館は、、、。 「松尾か? どうした?」
「どうしたもこうしたもない。 高中が俺に喧嘩を売ってきやがった。」 「何だって? 松尾に喧嘩?」
「そうなんだよ。 暴力団から賄賂を貰ってるとか言って。」 「そんなの証拠を出せば済むだろうに。」
「それがだ。 過去の裁判履歴を取り出して騒いできやがったんだよ。 俺だってさ、暴力団の裁判に付き合うことも有るんだからさあ。」
「それで何て言ってきたんだ?」 「勝訴したやつを取り出して賄賂だ何だって騒いでるんだよ。」
「獄導事件の吹き消しだな。 裏から当たってみるよ。」 「頼むわ。」
この古館って男、実は元検察官。 良かろうが悪かろうが弁護士の付き合いも相当に顔が広くてね。 厄介事はお任せってやつ。
頼りになるんだよ。 これまでも何度かこういう騒ぎを揉み消したんだから。
岩谷さんは殴られた体を引きずって松尾の事務所にやってきた。 「おいおい、お前まで何をしてんだ?」
「いきなり因縁を吹っ掛けられちまってさあ、殴られたい放題に殴られたんだ。」 「大変だったなあ。 死ななくて良かったよ。」
「危なかった。 黒瀬ってやつが通りすがりにそいつを伸ばしてくれたから。」 「黒瀬? ああ瑞樹か。」
「知ってんの? 知ってるも何も昔からの友達だよ。 あはは。」 普段は笑うことも少ない松尾が大声で笑ったのを見て岩谷さんは少しホッとした。
斉藤の次は誰がやられるのか? 結城だって気が気じゃない。
下っ端連中は「今すぐにも仕返しを‼」って騒いでるし大村さんは動けないし。 どうしたらいいんだろう?
悩んでいる結城に松尾が電話を掛けた。 「ああ、松尾か。 何か有ったのか?」
「狼の安原が動いてる。 気を付けてくれ。」 「あのチンピラがまだ動いてるのか?」
「ああ。 獄導を潰そうと思ってたらしい。 岩谷を襲ってきたんだ。」 「岩谷さんを? で、大丈夫なんすか?」
「黒瀬とかってやつが通りかかってボコボコにしたらしい。」 「黒瀬か、、、。」
「俺の友達だ。 大村さんも知ってるやつだから安心しろ。」 「それで何か?」
「大村の彼女のほうは黒瀬が探ってくれるそうだ。」 「でもあいつ一人で、、、。」
「大丈夫だよ。 星野って緻密なやつが一緒だから。」 「そいつはいったい?」
「黒瀬の幼馴染だ。 昔からスーパーコンピューターって呼ばれてるくらいに緻密な計算をする男だから。」 「ならいいけど、、、。」
黒瀬、、、。 結城にはどうも腑に落ちないんだ。 獄導が解散して以来、妙なやつらが動いている。
もちろん獄導の中にも虫が居る。 退治しなければいずれ大変なことになるだろう。
それは分かっているが、今大きく動くわけにはいかない。 大村さんだって執行猶予の最中なんだから。
結城は仕事を終わらせると大下駅前にブラブラと散歩に出掛けた。 屋台は今日も空いているようだ。
「こんばんは。」 「はいよ。 いらっしゃい。」
「皮と砂肝と豚バラを2本ずつ。」 「あいよ。 酒は飲むかい?」
「じゃあビールを飲もうかな。」 「ビールね。」
親父さんは今夜も気前のいい顔をしている。 岩谷さんもここで食べて行ったんだよな。
「ところで何処の焼鳥屋だ?」 「大下駅前に屋台を出してるだろう。」
「何だ、黒瀬の親父か。」 「大村さん 知ってんの?」
「ああ。 黒瀬は昔からの友達だ。 負けず嫌いな暴走族でなあ。」 「暴走族?」
「そうだ。 喧嘩させたら高校じゃ勝てる相手が居ないって噂だった。」 「そんなにか?」
「そりゃそうだよ。 父さんは柔道の選手だったんだ。 おまけに母さんはテコンドウの選手だったんだ。 両親にぎっちりばっつり鍛えられたってわけさ。」
「じゃあ吉村だって手に負えねえな。」 「心配するな。 あいつは喧嘩はするが悪さはしねえやつだから。」
「黒瀬か、、、。」 岩谷さんは皮を齧りながら親父さんの顔を思い出した。
「そういえばさ、屋台に高中の叔父が来てたよ。」 「何だって? 元彦が?」
「ああ。 皮とか肝とか頼んで1万円置いてどっかに行っちまった。」 「やることはでかいなあ。 言ってることはしょぼいのに。」
「あいつ、県議会議員なんだろう? なおさらやばいんじゃないか?」 「そうかもな。 あいつに嗅ぎ回られたら堪ったもんじゃない。」
「どっかで抑えないとな、、、。」 岩谷さんは思案顔のまま大村さんの家を出たのですが、、、。
落ち着けるわけも無く、そのまま俺が入院している病院にやってきた。 「具合はどうだ?」
「少しずつ良くなってきてる。」 「そうか。 良かった。」
「姉ちゃんは無事なんだろうか?」 「俺たちも探れないでいるんだ。 情報が全く無くてな。」
「そうなのか。」 俺は岩谷さんのつらそうな顔を見るのが嫌で布団をかぶった。
岩谷さんは病院を出ると街中をブラブラと歩いている。 大村さんの家で一夜を明かして病院に出向いたその後だ。
「よう、お前岩谷だろう?」 不意に男が声を掛けてきた。 振り返るとそいつは狼のやつだ。
「何か用か?」 「俺たちを嗅ぎ回ってるらしいな?」
「は? 何にもしてねえけど。」 「嘘吐くんじゃねえよ。 周りから聞いたぜ。」
「火の無い所に煙は立たねえんだ。 俺は何も知らねえよ。」 「のぼせんじゃねえ‼ 俺のことをしこたま嗅ぎ回ってるのを知ってるんだぞ‼」
「お前が何かやったのか?」 「貴様、いい気になりやがって。」
男がいきなり殴りかかってきた。 岩谷さんは何もせずに突き飛ばされてしまった。
「へ。 後ろめたいもんだから手出しも出来ねえのか。 獄導も終わっちまったなあ。」 男はさらに殴り続けている。
「何をしてんだ?」 「見りゃ分るだろう。 この男に制裁を加えてるんだよ。」
「お前がか?」 「当り前だ。 俺がやらなきゃ誰がやるってよ?」
「こいつが何かやったって証拠でも有るのか?」 「周りでこいつらが俺を嗅ぎ回ってるって喋ってるやつらが居たからな。 そいつらが証拠だ。」
「ほう。 それでお前の何を嗅ぎ回ってたんだ?」 「知らねえよ。」
「馬鹿だなあ。 安原。 お前のことを嗅ぎ回ってたのは俺だよ。 ハハハ。」 「何だと? 貴様は何を嗅ぎ回ってたんだ‼」
「お前さあ、高中と一緒になって獄導をぶっ潰そうとしてただろう?」 「それがどうした?」
「獄導は少し前に解散してるんだよ。」 「何だって? 解散してた?」
「知らなかったらしいな。」 「てめえ、いい気になりやがって。 ぶっ殺してやる‼」
安原と呼ばれた男はジャージ姿の若い男に飛び掛かっていった。 ところが、、、。
「うわ‼」って言った切り起き上がれないでいる。 「強過ぎたかな? まあいいか。」
安原は一撃でぶっ倒れてしまったんだ。 その男は岩谷さんの所にもやってきた。
「大丈夫か?」 「まあ何とか、、、。」
「災難だったなあ。 解散したのにまだまだ狙われてるなんて。」
「あんたは?」 「俺? 俺は黒瀬瑞樹。 昨日さあ、親父から聞いたんだ。 あんたたちの話を。」
「そうだったのか。」 「親分の彼女が拉致されたんだって?」
「そうなんだよ。 大村さんも今は動けないから困ってて。」 「俺が探ってやるよ。」
「危ない連中だぜ。」 「高中だろう? あいつのことはよく知ってるんだ。 任せてくれ。」
やっとの思いで立ち上がった岩谷さんと握手をして黒瀬は走り去っていった。 「探るって言ってもどうやって探る気なんだろう?」
その頃、古館は、、、。 「松尾か? どうした?」
「どうしたもこうしたもない。 高中が俺に喧嘩を売ってきやがった。」 「何だって? 松尾に喧嘩?」
「そうなんだよ。 暴力団から賄賂を貰ってるとか言って。」 「そんなの証拠を出せば済むだろうに。」
「それがだ。 過去の裁判履歴を取り出して騒いできやがったんだよ。 俺だってさ、暴力団の裁判に付き合うことも有るんだからさあ。」
「それで何て言ってきたんだ?」 「勝訴したやつを取り出して賄賂だ何だって騒いでるんだよ。」
「獄導事件の吹き消しだな。 裏から当たってみるよ。」 「頼むわ。」
この古館って男、実は元検察官。 良かろうが悪かろうが弁護士の付き合いも相当に顔が広くてね。 厄介事はお任せってやつ。
頼りになるんだよ。 これまでも何度かこういう騒ぎを揉み消したんだから。
岩谷さんは殴られた体を引きずって松尾の事務所にやってきた。 「おいおい、お前まで何をしてんだ?」
「いきなり因縁を吹っ掛けられちまってさあ、殴られたい放題に殴られたんだ。」 「大変だったなあ。 死ななくて良かったよ。」
「危なかった。 黒瀬ってやつが通りすがりにそいつを伸ばしてくれたから。」 「黒瀬? ああ瑞樹か。」
「知ってんの? 知ってるも何も昔からの友達だよ。 あはは。」 普段は笑うことも少ない松尾が大声で笑ったのを見て岩谷さんは少しホッとした。
斉藤の次は誰がやられるのか? 結城だって気が気じゃない。
下っ端連中は「今すぐにも仕返しを‼」って騒いでるし大村さんは動けないし。 どうしたらいいんだろう?
悩んでいる結城に松尾が電話を掛けた。 「ああ、松尾か。 何か有ったのか?」
「狼の安原が動いてる。 気を付けてくれ。」 「あのチンピラがまだ動いてるのか?」
「ああ。 獄導を潰そうと思ってたらしい。 岩谷を襲ってきたんだ。」 「岩谷さんを? で、大丈夫なんすか?」
「黒瀬とかってやつが通りかかってボコボコにしたらしい。」 「黒瀬か、、、。」
「俺の友達だ。 大村さんも知ってるやつだから安心しろ。」 「それで何か?」
「大村の彼女のほうは黒瀬が探ってくれるそうだ。」 「でもあいつ一人で、、、。」
「大丈夫だよ。 星野って緻密なやつが一緒だから。」 「そいつはいったい?」
「黒瀬の幼馴染だ。 昔からスーパーコンピューターって呼ばれてるくらいに緻密な計算をする男だから。」 「ならいいけど、、、。」
黒瀬、、、。 結城にはどうも腑に落ちないんだ。 獄導が解散して以来、妙なやつらが動いている。
もちろん獄導の中にも虫が居る。 退治しなければいずれ大変なことになるだろう。
それは分かっているが、今大きく動くわけにはいかない。 大村さんだって執行猶予の最中なんだから。
結城は仕事を終わらせると大下駅前にブラブラと散歩に出掛けた。 屋台は今日も空いているようだ。
「こんばんは。」 「はいよ。 いらっしゃい。」
「皮と砂肝と豚バラを2本ずつ。」 「あいよ。 酒は飲むかい?」
「じゃあビールを飲もうかな。」 「ビールね。」
親父さんは今夜も気前のいい顔をしている。 岩谷さんもここで食べて行ったんだよな。