明日に夢を見ようか。 不良になれなかった俺のギャラクシーノート
結城が岩谷さんの家にまでやってくると、、、。 「だから俺は何も知らないって言ってるだろう。 しつこいやつだなあ。」
「どうせてめえらが兄貴を殺したんだ。 責任を取ってもらおうか。」 「何もしてないのにどうやって責任を取るんだよ?」
「ここで今すぐ死んでもらおう。 悔いはねえだろう?」 男と岩谷さんがやり合っている。
「しょうもねえやつだなあ。 お前はアホか?」 「何だと? 貴様まで俺にケチを付ける気か‼」
「ケチなんて誰が付けるかってんだ。 てめえみたいなゴキブリによ。」 「のぼせやがって。 二人まとめて死んでもらうぞ‼」
「やめたほうがいいんじゃないのか? 小金井。」 「何だと?」
「俺を忘れたか?」 「下澤さん、、、。」
「話はゆっくりと聞かせてもらうよ。 なんかうるさいなと思ったらお前が騒いでたのか。 迷惑なやつだぜ。 まったく。」 「こいつらのせいで兄貴が死んだんだ。 敵討ちだ。」
「やめとけ。 お前の兄貴は自分から崖を転がって死んだんだから。」 「こいつらが落としたんだろう? ぶっ殺してやる。」
「あのなあ、こいつらはその時間に一緒には居なかったよ。」 「何で分かるんすか?」
「黒瀬から聞いたからだ。」 「く、黒瀬?」
「そうだ。 朝から騒ぐんじゃねえよ。 俺はまだ眠いんだから。」 下澤という男は眠そうな顔で部屋に戻っていった。
大村さんはまたまたハーレーを飛ばしながら考え事をしている。 (何をどうしたらこうなるんだ?)
事件はあの日から始まった。 そして、、、。
(だちが狙われて仲間が殺されて、あいつが誘拐されて、、、。) 繋がりが有りそうで無さそうな事件が続いている。
松尾も騒がれてるし岩谷も狙われた。 高中が動いてるのは分かったんだがそれだけじゃないはずなんだ。 後ろに誰かが居る。
高中だけではここまでやれないはずだ。 となると、、、。
考えながら走っていたら観音寺町まで来てしまった。 「随分と走ったなあ。」
海沿いの町で岬巡りの県道が通っている町だ。 冬にはさすがに通行止めになるんだけどな。
その県道を走りながら大村さんはまた考えた。 (黒瀬はどうやってあいつのことを調べるんだろう?)
遠くに船が見える。 気持ちいいもんだな。
岩谷さんは朝の悶着が落ち着いて結城を部屋に入れた。 「おかしいとは思わねえか?」
「あまりにもおかし過ぎて変になりそうだぜ。」 「だよなあ。 解散式の時から始まってるんだ。」
「それにしても変だと思わないか?」 「何が?」
「大村さんの彼女だよ。」 「そうか? 別におかしいとは思わんが、、、。」
「後ろめたいことが有るんじゃないかなあ?」 「それはねえだろうよ さすがによ。」
「でもそれにしては拉致された時も抵抗してないんだぜ。」 「そういえば、そんなことを病院のやつらが言ってたな。」
「だろう? ということは彼女も何か噛んでるぞ。」 「そうは思いたくないんだけどなあ。」
「今は思い込みを捨てろ。 拾える所から情報を拾うんだ。」
そんな話が回りに回って古館が大村さんの家を訪れたのは三日後のことだった。
「よう、大村君。 ちっとは元気そうだな。」 「まあなあ。」
「今夜は飲みながら語り明かそう。」 古館はそう言うと3本の一升瓶をテーブルに載せた。
この家で二人が飲むのは何年ぶりだろう? スルメとか美味そうな摘みもたくさん買ってきたらしい。
「ところで何でまた古館産が?」 「松尾に泣き付かれていろいろ調べてたんだ。 そしたらさ意外なことが分かったんだよ。」
「意外なこと?」 「まあまずは飲もうぜ。」
日本酒の栓を抜く。 二つのコップに酒が注がれていく。
スルメを齧りながら二人はコップを合わせた。 「松尾がどうかしたのか?」
「あいつが関わってた裁判の中で勝訴したのが何件も有る。 その報酬を巡って高中が賄賂だって騒いで来たって言うんだよ。 バカバカしくて最初は取り合わなかったんだが調べてみて驚いた。」
「どうしたんです?」 「その全ては滝沢洋一郎の訴訟だったんだ。」
「滝沢洋一郎? あの下畑新聞の社長?」 「そうなんだよ。 さらに調べてみたら滝沢と高中は県議時代からの犬猿の仲だったんだ。」
「へえ、じゃあ松尾は何も関係が無かったわけ?」 「そうだなあ。 裁判に絡んで勝訴して報酬を貰っただけだ。」
「いい迷惑だなあ。」 「それからお前のだちを狙った三人組なんだが、、、。」
「分かったのか?」 「一人は少年課も知ってる通りだ。 あとの二人は三田村義男と柏原邦弘だ。」
「柏原?」 「知ってるか?」
「こいつは昔、獄導に居たやつですよ。」 「そうか。」
家の前を覆面が通り過ぎて行った。 もう夜も9時を過ぎた頃である。
結城は仕事を済ませるとまたまた焼き鳥を食べに出掛けた。 「おー、いらっしゃい。 今日も飲むか?」
「そうだねえ。 ビールを飲もうかな。」 「あの後は大丈夫だったのか?」
「黒瀬君と星野さんが来てくれたんで助かりましたよ。」 「世の中変なのが多いからなあ。」
駅前通りも静かになった。 数本の貨物列車が通り過ぎれば終わりらしい。
20年前はまだまだ田んぼだらけだったのになあ。 開発が進んだんだな。
「岩谷は元気にしてるか?」 「相変わらずだ。 こないだは誰かにボコられたって言ってたけど。」
「ボコられた?」 「ああ。 安原だったかな、狼のやつにさ。」
「大丈夫なのか?」 「たまたま通りかかったやつに助けられたって言ってたよ。」
「やつも災難だなあ。」 「ああ。 最近はほんとに変なのが多い。」
二人で2本目の酒を空にしたころ、古館が迷いながら口を開いた。 「お前の彼女のことなんだが、、、。」
「やつがどうかしたのか?」 「去年の夏、産婦人科に行ってたことが分かったんだ。」
「産婦人科に? それまた何で?」 「これがその時のカルテだよ。」
古館は一枚の紙を大村さんの前に広げた。
石川産婦人科外来カルテ。
期日=2053年8月17日
主訴=妊娠鬱
備考=本患者妊娠9か月目にして妊娠中毒症と思われる症状の発現により早期分娩が適当と思われることから
即入院を求めることとした。
「あいつ、誰の子供を妊娠してたんだ?」 「それが高中なんだよ。」
「この頃といえば狼とやり合っていた頃だ。 その時に、、、。」 「彼女が拉致された時、抵抗してなかったことを病院の職員も不思議に思ってたんだよ。」
「そうか。 高中と出来てたのか。」 「そのことはだちも知らなかったようだな。」
「あいつも?」 「ああ。 そもそもこんなドロドロした世界に興味なんて持ってなかっただろう?」
「言われてみればそうだな。」 大村さんはコップの酒を一気に飲み干した。
「どうせてめえらが兄貴を殺したんだ。 責任を取ってもらおうか。」 「何もしてないのにどうやって責任を取るんだよ?」
「ここで今すぐ死んでもらおう。 悔いはねえだろう?」 男と岩谷さんがやり合っている。
「しょうもねえやつだなあ。 お前はアホか?」 「何だと? 貴様まで俺にケチを付ける気か‼」
「ケチなんて誰が付けるかってんだ。 てめえみたいなゴキブリによ。」 「のぼせやがって。 二人まとめて死んでもらうぞ‼」
「やめたほうがいいんじゃないのか? 小金井。」 「何だと?」
「俺を忘れたか?」 「下澤さん、、、。」
「話はゆっくりと聞かせてもらうよ。 なんかうるさいなと思ったらお前が騒いでたのか。 迷惑なやつだぜ。 まったく。」 「こいつらのせいで兄貴が死んだんだ。 敵討ちだ。」
「やめとけ。 お前の兄貴は自分から崖を転がって死んだんだから。」 「こいつらが落としたんだろう? ぶっ殺してやる。」
「あのなあ、こいつらはその時間に一緒には居なかったよ。」 「何で分かるんすか?」
「黒瀬から聞いたからだ。」 「く、黒瀬?」
「そうだ。 朝から騒ぐんじゃねえよ。 俺はまだ眠いんだから。」 下澤という男は眠そうな顔で部屋に戻っていった。
大村さんはまたまたハーレーを飛ばしながら考え事をしている。 (何をどうしたらこうなるんだ?)
事件はあの日から始まった。 そして、、、。
(だちが狙われて仲間が殺されて、あいつが誘拐されて、、、。) 繋がりが有りそうで無さそうな事件が続いている。
松尾も騒がれてるし岩谷も狙われた。 高中が動いてるのは分かったんだがそれだけじゃないはずなんだ。 後ろに誰かが居る。
高中だけではここまでやれないはずだ。 となると、、、。
考えながら走っていたら観音寺町まで来てしまった。 「随分と走ったなあ。」
海沿いの町で岬巡りの県道が通っている町だ。 冬にはさすがに通行止めになるんだけどな。
その県道を走りながら大村さんはまた考えた。 (黒瀬はどうやってあいつのことを調べるんだろう?)
遠くに船が見える。 気持ちいいもんだな。
岩谷さんは朝の悶着が落ち着いて結城を部屋に入れた。 「おかしいとは思わねえか?」
「あまりにもおかし過ぎて変になりそうだぜ。」 「だよなあ。 解散式の時から始まってるんだ。」
「それにしても変だと思わないか?」 「何が?」
「大村さんの彼女だよ。」 「そうか? 別におかしいとは思わんが、、、。」
「後ろめたいことが有るんじゃないかなあ?」 「それはねえだろうよ さすがによ。」
「でもそれにしては拉致された時も抵抗してないんだぜ。」 「そういえば、そんなことを病院のやつらが言ってたな。」
「だろう? ということは彼女も何か噛んでるぞ。」 「そうは思いたくないんだけどなあ。」
「今は思い込みを捨てろ。 拾える所から情報を拾うんだ。」
そんな話が回りに回って古館が大村さんの家を訪れたのは三日後のことだった。
「よう、大村君。 ちっとは元気そうだな。」 「まあなあ。」
「今夜は飲みながら語り明かそう。」 古館はそう言うと3本の一升瓶をテーブルに載せた。
この家で二人が飲むのは何年ぶりだろう? スルメとか美味そうな摘みもたくさん買ってきたらしい。
「ところで何でまた古館産が?」 「松尾に泣き付かれていろいろ調べてたんだ。 そしたらさ意外なことが分かったんだよ。」
「意外なこと?」 「まあまずは飲もうぜ。」
日本酒の栓を抜く。 二つのコップに酒が注がれていく。
スルメを齧りながら二人はコップを合わせた。 「松尾がどうかしたのか?」
「あいつが関わってた裁判の中で勝訴したのが何件も有る。 その報酬を巡って高中が賄賂だって騒いで来たって言うんだよ。 バカバカしくて最初は取り合わなかったんだが調べてみて驚いた。」
「どうしたんです?」 「その全ては滝沢洋一郎の訴訟だったんだ。」
「滝沢洋一郎? あの下畑新聞の社長?」 「そうなんだよ。 さらに調べてみたら滝沢と高中は県議時代からの犬猿の仲だったんだ。」
「へえ、じゃあ松尾は何も関係が無かったわけ?」 「そうだなあ。 裁判に絡んで勝訴して報酬を貰っただけだ。」
「いい迷惑だなあ。」 「それからお前のだちを狙った三人組なんだが、、、。」
「分かったのか?」 「一人は少年課も知ってる通りだ。 あとの二人は三田村義男と柏原邦弘だ。」
「柏原?」 「知ってるか?」
「こいつは昔、獄導に居たやつですよ。」 「そうか。」
家の前を覆面が通り過ぎて行った。 もう夜も9時を過ぎた頃である。
結城は仕事を済ませるとまたまた焼き鳥を食べに出掛けた。 「おー、いらっしゃい。 今日も飲むか?」
「そうだねえ。 ビールを飲もうかな。」 「あの後は大丈夫だったのか?」
「黒瀬君と星野さんが来てくれたんで助かりましたよ。」 「世の中変なのが多いからなあ。」
駅前通りも静かになった。 数本の貨物列車が通り過ぎれば終わりらしい。
20年前はまだまだ田んぼだらけだったのになあ。 開発が進んだんだな。
「岩谷は元気にしてるか?」 「相変わらずだ。 こないだは誰かにボコられたって言ってたけど。」
「ボコられた?」 「ああ。 安原だったかな、狼のやつにさ。」
「大丈夫なのか?」 「たまたま通りかかったやつに助けられたって言ってたよ。」
「やつも災難だなあ。」 「ああ。 最近はほんとに変なのが多い。」
二人で2本目の酒を空にしたころ、古館が迷いながら口を開いた。 「お前の彼女のことなんだが、、、。」
「やつがどうかしたのか?」 「去年の夏、産婦人科に行ってたことが分かったんだ。」
「産婦人科に? それまた何で?」 「これがその時のカルテだよ。」
古館は一枚の紙を大村さんの前に広げた。
石川産婦人科外来カルテ。
期日=2053年8月17日
主訴=妊娠鬱
備考=本患者妊娠9か月目にして妊娠中毒症と思われる症状の発現により早期分娩が適当と思われることから
即入院を求めることとした。
「あいつ、誰の子供を妊娠してたんだ?」 「それが高中なんだよ。」
「この頃といえば狼とやり合っていた頃だ。 その時に、、、。」 「彼女が拉致された時、抵抗してなかったことを病院の職員も不思議に思ってたんだよ。」
「そうか。 高中と出来てたのか。」 「そのことはだちも知らなかったようだな。」
「あいつも?」 「ああ。 そもそもこんなドロドロした世界に興味なんて持ってなかっただろう?」
「言われてみればそうだな。」 大村さんはコップの酒を一気に飲み干した。

