極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
明後日からは仕事だ。明日はたっぷり休もうと決める。

結局彼には病のことも、付き合えないということも、なにひとつ切り出せなかった。

彼を深く傷つける前に、早く伝えなくちゃ……。

そっと心に決めて、再び睡魔に身を委ねた。



丸一日眠っていたおかげか、次の出勤日にはすっかり体調が回復した。

「おはようございます、祇堂社長」

武久さんとともに社長よりひと足先に出勤し、執務室でお迎えする。

旅行の日以来、彼とは何度かメッセージのやりとりをしたが、ちゃんと会話をするのは初めてだ。

当然『翔琉さん』とは呼ばない。こうして『祇堂社長』と呼んでいると、まるであの二日間が夢だったかのように思えてくる。

じわじわと不安になってきた頃。武久さんがうしろを向いた隙に、翔琉さんがパチリとウインクしてきた。まるで、あれは現実だよとアピールするかのように。

……本当、なんだ。

胸の奥が温かくなって、安心感が込み上げてくる。



社長含め、社長室のメンバーも代わる代わる休みを取っていたので、連休明けはなにしろ忙しく、飛ぶように時間が過ぎていった。

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