極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「ですが最近は文句も言わず厳しいスケジュールをこなしてくれています。あなたに格好いい姿を見せたいのかもしれません。いいカンフル剤になっているようです」

武久さんは眼鏡の奥の目を緩ませて立ち去っていく。

私が翔琉さんにいい影響を与えている? だとしたら……すごく嬉しい。

翔琉さんの力になれるのはもちろん、会社の役にも立てているということだ。

『難病で苦しむ患者を救いたい』、その夢にまた一歩近づけた。

よーし、頑張るぞ。

心の中でそっと自分を鼓舞して、残りの仕事に取りかかった。




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二階にある自室から覗き込むようにして窓の外を眺めると、ランドセルを背負って歩いていく小学生の列が見えた。

どうしてみんなは元気なのだろう。

どうして私は元気じゃないのだろう。

昨夜、熱を出した。きっとまた入院すると思う。



「星奈、そんなところでなにしてるの」

振り向くと部屋の入口に母が立っていた。トレイにお粥を載せたまま、起き上がって窓の外を覗いている私を見てぎょっと声をあげる。

「熱があるんだから、寝てなくっちゃ」

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