極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
幾度目かわからない懺悔。『健康に産んであげられたら』『変わってあげられたらいいのに』――どんなにそう思ってくれたとしても、現実にはならない。

「お母さんのせいじゃないよ」

だからこうして正論で答えるしかない。

「同じお母さんの子どもなのに、妹の月乃は元気だもん。悪いのは私だけだよ」

母はいっそう申し訳なさそうな顔をして黙り込む。

私が病気ばかりしているせいで、母は私の看病や病院との往復でいつも忙しく、妹の月乃は親戚の家に預けられることもしばしば。

父は仕事にかかりきり。母が働けない分、たくさん働かなければいけないのだそうだ。

……やっぱりみんなを引っ掻き回しているのは私だ。

「新しいクラスにはご挨拶できなそうだね」

もう四月になったけれど、まだ一度も学校へ行けてない。

去年小学校に入学し、ほとんど学校に顔を出さないまま二年生になってしまった。

お別れを言う間もなくクラス替えになり、新しいクラスメイトが誰だかもわからない。

一応新しい担任の先生がお見舞いに来て、クラスメイトの名前を教えてくれたのだけれど、知らない名前ばかりだった。

< 109 / 267 >

この作品をシェア

pagetop