極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
ゆっくりと引き戸が開き、白いシャツにスラックスを合わせた彼が部屋に入ってくる。
「翔琉さん……!」
驚く私。反対に彼は腹を据えたかのように冷静に微笑んだ。
「具合はどう?」
病室に足を踏み入れ、喋りやすい位置で立ち止まる。今日は彼が遠い。ふたりの物理的な距離が心の距離をそのまま表していた。
「まだ熱は下がっていませんが大丈夫です」
正直体は重くてだるい。体内で炎症が起き、胸やお腹がじんじん痛む。無理に動けば、またすぐ倒れてしまうだろう。
「まだ面会時間ではないですよね?」
「今朝、意識が戻ったって連絡を受けて飛んできた。時間については、看護師も目を瞑ってくれたみたいだ」
昨晩は意識が戻らなかったから、心配しているだろうと看護師が気を利かせてくれたようだ。
「昨日より少しだけ顔色がよくて安心した。早く退院できるといいんだけれど」
なにげない言葉に胸がしゅんと縮こまる。
過労で倒れたのとはわけが違う。数日休んで回復とはいかない。中身はズタボロで、これから長い闘病生活が始まる。
「私の病について、先生から聞きましたか?」
尋ねてみると、今度こそ彼は眉を下げて悲しげな顔をした。
「……ああ。聞いている」
「そうですか」
「翔琉さん……!」
驚く私。反対に彼は腹を据えたかのように冷静に微笑んだ。
「具合はどう?」
病室に足を踏み入れ、喋りやすい位置で立ち止まる。今日は彼が遠い。ふたりの物理的な距離が心の距離をそのまま表していた。
「まだ熱は下がっていませんが大丈夫です」
正直体は重くてだるい。体内で炎症が起き、胸やお腹がじんじん痛む。無理に動けば、またすぐ倒れてしまうだろう。
「まだ面会時間ではないですよね?」
「今朝、意識が戻ったって連絡を受けて飛んできた。時間については、看護師も目を瞑ってくれたみたいだ」
昨晩は意識が戻らなかったから、心配しているだろうと看護師が気を利かせてくれたようだ。
「昨日より少しだけ顔色がよくて安心した。早く退院できるといいんだけれど」
なにげない言葉に胸がしゅんと縮こまる。
過労で倒れたのとはわけが違う。数日休んで回復とはいかない。中身はズタボロで、これから長い闘病生活が始まる。
「私の病について、先生から聞きましたか?」
尋ねてみると、今度こそ彼は眉を下げて悲しげな顔をした。
「……ああ。聞いている」
「そうですか」