極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
彼と出会えたのは本当に幸運としか形容できない。

月乃は「ふーん」とおもしろくなさそうにソファの上で足をバタつかせた。

「でも星奈の見た目が好きって言うなら、同じ顔で健康な私の方が絶対いいじゃん?」

今度こそ胸に痛みを感じて手を当てる。鼓動が速くなって、息が少し苦しい。

「……月乃こそ、彼氏はどうしたの? ミュージシャンの人とお付き合いしてるって、お母さんが言っていたけれど」

先週訪れた母が月乃の近況を教えてくれた。アパレル企業の契約社員として働きながら、プライベートではインディーズバンドのギタリストと交際しているのだとか。

しかし月乃はあはははと甲高い声で笑った。

「ミュージシャンって何カ月前の話? あんなのとっくに別れたよ。売れるかわからないギタリストにのめり込むほどバカじゃないって」

そう言って私と同じ顔で、私が絶対にしないような不敵な笑みを浮かべた。

「社長の方が断然おいしいって話。お母さんから星奈の彼氏の話を聞いて、羨ましくなっちゃった」

ぞくりと背筋が冷える。まさか月乃は翔琉さんに興味を持っているのだろうか。

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