極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「って、待って! ちょっと待って!」

慌てて彼女が俺の腕に縋りついてくる。まったくなびかない相手に焦りを募らせたのか、なりふりかまわず抱きついてきた。

「星奈は翔琉さんが思ってるような女じゃないですよ? ひ弱な乙女ムーブに騙されてるだけですって」

「星奈は本当に病弱だよ」

「っていうか、星奈はエッチもさせてくれないんでしょ!?」

彼女が俺の胸に手をつき、縋りついてきた。

捨て身ともいえる行動に嘆息する。星奈と同じ顔、同じ格好でも、ここまでやることが違うとちゃんと別人に見えてくるから不思議だ。

「ねえ、翔琉さん。星奈の体と顔で、したいって思いません?」

「悪いけど興味ないな。中身が違うんじゃ興ざめだ」

わざと冷たくあしらって彼女の体を引き剥がすと、プライドが傷ついたのか、ムッと顔を赤くしてこちらを睨んできた。

「星奈のいったいなにがいいって言うの? 病弱ですぐに倒れるし、エッチもできないし、一緒にいたって退屈でしょ!?」

「とんでもない。星奈といる時間は幸せだよ」

「嘘よ、あの子にそんな価値ない!」

聞くに堪えず、彼女を冷ややかに見下ろした。

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