極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～

周囲にかまわれ愛される姉が憎らしく見えたのか。だが、彼女は星奈が味わう苦痛を知らない。

「妹について、妙に語りたがらないとは思ってたけど」

あの様子ならば仕方がないだろう。

早々に気持ちを切り替え、星奈のもとへ急いだ。

先ほど通知をもらった星奈の体の異変は、姉妹喧嘩が原因なのではないか、そう思いを巡らせながら。



それから約一カ月。再び簡易モニターが異常な数値を記録した。

早急にコンシェルジュやクリニックに連絡を取ったが、彼女はまだ病院から帰ってきていないという。

伏見教授に連絡を取り、ようやく状況がはっきりした。帰宅途中のタクシーの中で意識を失ったようだ。

やはり無理にでも通院に付き添うべきだった、そんな後悔を抱えながら仕事を切り上げ病院に向かう。

かけつけると、点滴やモニター、酸素マスクに繋がれた痛々しい姿の彼女がいた。

なかなか目を覚まさず、覚ましたとしても一時間と経たず再び眠りについてしまうそうで、何度か見舞いに足を運んだが、会話ができないまま三日が経過した。

四日目の朝。病棟に足を運ぶとベッドがもぬけの殻になっていた。