極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
当時、俺は母方の姓である『伏見』を名乗っていた。
認知はされていなかったが、母の口座には口止め料のように毎年養育費が振り込まれ、それなりの生活を送っていた。母は細々と働きながら、俺を丁寧に育ててくれた。
しかし俺が中学生になってすぐ、母は事故で帰らぬ人となり、母の兄の伏見影彦に引き取られた。
彼は研究に人生を注ぐ変わり者。俺を引き取るまでは研究所にこもりきりの生活を送っていたらしい。
立派な邸宅を持っているくせに、最低限の調度品しかなく冷蔵庫はいつも空。
そんな彼だが、一応中学生になったばかりの甥っ子を気にかけてくれたようで、ほぼ毎日家に帰ってきてくれるようになった。
夕飯も作ってはくれたが、料理は得意ではないらしく、ところどころ焦げていたり煮えすぎてくたくただったり。
具材の大きさがバラバラで「メスはそれなりに扱えるんだが、包丁はな」なんて言ってごまかしていた。
「俺が料理作ろうか? 母さんと暮らしていたときも、たまにやってたし」
そう言って野菜炒めを作ると「翔琉はできた子だ」と褒めながら食べてくれた。
認知はされていなかったが、母の口座には口止め料のように毎年養育費が振り込まれ、それなりの生活を送っていた。母は細々と働きながら、俺を丁寧に育ててくれた。
しかし俺が中学生になってすぐ、母は事故で帰らぬ人となり、母の兄の伏見影彦に引き取られた。
彼は研究に人生を注ぐ変わり者。俺を引き取るまでは研究所にこもりきりの生活を送っていたらしい。
立派な邸宅を持っているくせに、最低限の調度品しかなく冷蔵庫はいつも空。
そんな彼だが、一応中学生になったばかりの甥っ子を気にかけてくれたようで、ほぼ毎日家に帰ってきてくれるようになった。
夕飯も作ってはくれたが、料理は得意ではないらしく、ところどころ焦げていたり煮えすぎてくたくただったり。
具材の大きさがバラバラで「メスはそれなりに扱えるんだが、包丁はな」なんて言ってごまかしていた。
「俺が料理作ろうか? 母さんと暮らしていたときも、たまにやってたし」
そう言って野菜炒めを作ると「翔琉はできた子だ」と褒めながら食べてくれた。