極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
名前も『伏見翔琉』ではなく『祇堂翔琉』になるそうだ。
伯父の家を発つ前日。俺は星奈のところに行った。
「引っ越しするんだ。もうここへは来られなくなる」
「え……」
星奈の愕然とした顔。虚ろにただよう眼差し。失望しているのは明らかで、陶器の人形のように顔色が真っ白になった。
言葉のチョイスに失敗したとわかり、俺は慌てて取り繕う。
「一生会えないわけじゃない。ただ、ちょっと遠いところに引っ越すんだ。だから、今までみたいにちょくちょく遊びには来られない」
家が遠くなるのはもちろんだが、父は有名私立中学への編入を考えているようで、勉強も忙しくなるだろう。
加えて、中学生がひとり電車に乗ってここまで遊びに来るわけにもいかない。
行き先を告げれば嫌な顔をされるだろう。昔のことはさっさと忘れて勉強に専念しろと叱られるような気がした。
「落ち着いたらまた来るよ」
それだけ伝えて俺は彼女に背を向ける。
病室を出る直前、「――いていかないで……」とか細い声が聞こえた気がしたが、どうしようもないので気づかない振りをした。
伯父の家を発つ前日。俺は星奈のところに行った。
「引っ越しするんだ。もうここへは来られなくなる」
「え……」
星奈の愕然とした顔。虚ろにただよう眼差し。失望しているのは明らかで、陶器の人形のように顔色が真っ白になった。
言葉のチョイスに失敗したとわかり、俺は慌てて取り繕う。
「一生会えないわけじゃない。ただ、ちょっと遠いところに引っ越すんだ。だから、今までみたいにちょくちょく遊びには来られない」
家が遠くなるのはもちろんだが、父は有名私立中学への編入を考えているようで、勉強も忙しくなるだろう。
加えて、中学生がひとり電車に乗ってここまで遊びに来るわけにもいかない。
行き先を告げれば嫌な顔をされるだろう。昔のことはさっさと忘れて勉強に専念しろと叱られるような気がした。
「落ち着いたらまた来るよ」
それだけ伝えて俺は彼女に背を向ける。
病室を出る直前、「――いていかないで……」とか細い声が聞こえた気がしたが、どうしようもないので気づかない振りをした。