極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
伯父が家にいないのはわかりきっていたから、直接研究室へ向かう。守衛のおじさんは「翔琉くん、久しぶりだね」と快く俺を通してくれた。

突然現れた甥の姿に、伯父はとても驚いていた。

普段は冷静で表情も変えやしないのに、このときばかりは珍しく目を見開き、たいして身長も伸びていないのに「なんだか大きくなったね」と漏らす。

「まだ病棟には行っていないのかい?」

「うん。これから星奈のところに行こうと思う」

「だったら一緒に行こう。……少し驚かせてしまうかもしれない」

伯父が曖昧な笑みを作る。そんな顔を見るのは初めてで違和感を覚えた。肩を抱かれ、病棟に向かう。

そして。

いつもの病室にいたのは、星奈のようで星奈じゃない女の子だった。

「星奈くん。こんにちは」

伯父が挨拶すると、彼女は伯父の方だけをじっと見つめて「こんにちは」と挨拶した。

まるで魂が抜けたようにぼんやりしている。

なにより俺が見えていない。以前は病室に顔を見せると満面の笑みで「カケルくん!」と迎えてくれたのに。

なにが起きた?

「星奈くん。彼は翔琉。君のお友だちだった人だよ。覚えているかい?」

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