極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～

祇堂さんがデスクに頬杖をつき、おどけたような目を私に向ける。お仕事モードがすっかり抜けていた。

「他人がいては、リラックスできないのでは？」

しかし気にしたふうもなく、祇堂さんはにっこりと笑ってみせる。

「美守さんは、休日っていつもなにしてる？」

「はい？」

「リラックストーク。ただの雑談だ。で？　週末はなにしてた？」

突拍子もない質問に、一瞬まごついた。だが社長の貴重な時間を沈黙で消費するのも申し訳なく感じられ、咄嗟に応える。

「部屋の掃除を。服を手洗いして、アイロンをかけて……それから、たくさん寝ました」

慣れない秘書業務をこなし、週末はへとへとだった。すり減った体力を補うかのように九時間は寝た。

……本当は、秘書に関する勉強もしていたのだけれど、わざわざアピールする必要もないので内緒だ。

「面白みのない週末ですみません。社長はどうされてましたか？」

「俺もたいして面白みはないよ。半分は仕事。軽くジムで体を動かして、株や為替の値動きや市場の動向を確認して情報収集。まあ、結局はそれも仕事か」

額に手を当てて失笑する。