極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
山梨県産のお茶に葡萄味のマカロン、桃が練り込まれた饅頭、地酒で作ったケーキなど、名産品を使ったスイーツが並ぶ。

「なんだかすごく、贅沢な時間になりましたね」

彼が休息を華やかなティータイムに変えてくれたので、申し訳なさなんて吹き飛んでしまった。

景色を眺めながらマカロンを頬張り、ふと視線に気がつく。

デッキチェアにもたれる彼が、じっとこちらを見つめていた。

「俺にとっては、こうしていられるのが一番贅沢なんだけど」

せっかく綺麗な景色が目の前に広がっているのに、なぜか私を見つめてそんなことを言う。

「祇堂さんも食べてください。このマカロン、すごくおいしいですからっ」

照れをごまかすように強引にお菓子を勧め、彼の目を逸らす。

「うん、おいしい」

そう言ってお菓子を頬張るも、なぜかその後も彼は私の方を見てばかりだった。



頬にひんやりとした風があたり、目が覚める。

気がつくとデッキチェアの上でブランケットを被っていた。

ついさっきまで祇堂さんと談笑しながらお菓子を摘まんでいたはずなのに、いつの間にか日が傾いている。

そうだわ、祇堂さんが電話に出ると言って離席して……。

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