極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「えっ、美守さん? 大丈夫? っていうか、ごめん。俺、寝てた……」

珍しく祇堂さんが慌てふためいている。

気づかないうちに寝入ってしまっていた上に、起きると目の前に私がいて、変な声をあげてひっくり返ったからだろう。

「こ、こちらこそ! 眠ってしまってすみません」

ブランケットを抱きしめて平謝り。見つめていたのがバレて恥ずかしい。

すると、頭上からくすくすという笑い声が降ってきた。

「青空の下でお昼寝、気持ちいいよな。って、もうすっかり夕方だけど。美守さんはいつから起きてた?」

「今、です。その、ブランケットをかけようと思って」

おずおずとブランケットを差し出すと、彼はそれを受け取り、私の肩にかけ直した。

「君の方こそ、風邪引かなかった?」

「はい、おかげさまで……」

「よかった。少し冷えてきたね。中に入ろう」

さりげなく手が繋がれる。私の手を引く彼に「あの」と声をかけた。

「ありがとうございます。でも、その……祇堂さんの方こそ、疲れちゃわないでくださいね?」

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