極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「とってもいいお湯ですよ」

自分に言い聞かせるように元気な声を張り上げる。

まだ少しくらくらドキドキして、体が自分のものではないみたい。

でもこの壁の向こうに彼がいると思えば、少しだけ気が和らいでくる。

「よかった。俺がいたら落ち着かないかな? サロンで待っているから――」

「あ、待って……」

思わず壁の向こうの彼を呼び止める。今はひとりになりたくない。不安で押し潰されてしまいそうだから。

私には打ち明けられない秘密があって、この先一緒にいられるかもわからない。こんなのわがままでしかないけれど――。

「もう少しだけ、一緒にいてもらっていいですか?」

声を震わせながら絞り出すと、さっきよりも近くで声がした。

「上を見て」

彼の言葉に視線を上げ、思わず「わぁ……!」と声をあげる。

ひさしの向こうにある空には、無数の星が輝いていた。

「すごい星空です! 綺麗!」

心の中の闇を払拭するような幾千の光に、不安が消えていく。

「君と一緒に星が見られたらと思って、バルコニーまで来たんだ」

すぐ隣で声がする。壁の近くまで来てくれたのだろう。

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