極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「――さん、美守さん!」
必死に私の名前を呼ぶ声が聞こえて、ゆっくりと瞼を開けた。
目の前に祇堂さんがいて、切羽詰まったような表情で私を覗き込んでいる。
ここは……脱衣所?
ハッとしてあたりを見回す。そして自分の格好を見て愕然とした。
大きめのバスタオルが一枚、申し訳程度に体を覆っている。
「えっ、えええ?」
思わず胸を隠すように手をクロスした。
よく見れば私だけじゃなく彼までずぶ濡れで、ホワイトのインナーが濡れて肌に張り付いている。
彼までとんでもなくセクシーだが……そんなことを考えている場合じゃない。いったいなにが起こったの?
彼が濡れた前髪をかきあげ、大きなため息をつく。
「急に君が返事をしなくなったから急いでかけつけたら、湯船の中で気を失っていて」
ぼんやりと記憶が蘇ってくる。
彼と言葉を交わしながら、星を眺めていたら、だんだん気持ちよくなってきて――。
「私、眠ってました?」
「……寝てたの?」
彼がぎょっとした顔をする。
まあ、のぼせて気絶していたのか、疲れがたまりすぎてうとうとしてしまったのかはわからないけれど。